09 October 2010

シャガールの世界 

”日曜日”

鮮やかな色彩と幻想的な作風で親しまれるシャガール。
パリの画家かと思っていましたが、実は旧ロシア帝国の生まれ。

彼の描く絵からは、
ユダヤ人としてのアイデンティティー
生涯一貫して持ち続ける故郷への想い
愛する女性(生涯で二人)への強い愛情

が溢れていて、とっても幸せな気分にさせられる。
この人は、画家としても成功をおさめているけれど、プライベートでも幸せな人だったことがよく伝わってくる。

今回の展示のユニークな点は、同時代のロシア・アヴァンギャルド作家の作品と同列で展示されており、その類似点、オリジナリティーが比較できるところ。

シャガールだったら、”日曜日”が一番好きだけど、
ロシア人画家ナターリア・ゴンチャローワや、彼女の夫でもあったミハイル・ラリオーノフの作品を初めて間近で見ることができ、とってもプリミティブで気に入った。
いやーかなり、気に入った。

西欧の影響を色濃く受けながらも、ロシアの土着の文化や原風景を大事にしてオリジナリティー豊かな芸術を生み出していった、このアバンギャルドの動きは、メキシコ壁画運動に通じるものがあって、興味深かった。

シャガール晩年の大仕事、モーツアルトの”魔笛”の舞台芸術の一連のシリーズや、
有名な絵画たち("ロシアとロバとその他のものに", "イカロスの墜落", "彼女を巡って"etc)もとにかく一挙に集まっているし、見所沢山の必見展覧会でした!
10月11日まで上野、東京芸大美術館で開催中。あと少しですが、週末の予定の合間をぬって絶対行ってみて下さい!!!価値あります。

最後にシャガールのドキュメンタリー映画から彼の言葉たちを☆

”まず感動。感動がなければ、どんな仕事もやめた方がいい。”

”絵を描くのは難しいよ。自分の心と世界の心。その間にある空間を想像してみる。そこに私は何を加えられる?そう自問してるんだ”

”私の作品はよく”素朴”という言葉で酷評されることがある。だが一体、素朴の何が悪い?”

自然体の人だな。この画家の絵は、なんだか私の腹の中に直接響く。
はじめて故郷ロシアの仲間の作品と共に並べられた作品達。心なしか、嬉しそうに見えた。

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