25 October 2010

木の香りのする家

作り手の想いは、住む人へ、そして街へと伝わっていくー。
建築家の方が我が家に込めた想いを、
木を調達して下さった方が素材へ込めた想いを、
直接語って下さるという贅沢な時間。
絶対神を持たない、多神教の日本でだからこそ、できた建築。
”形の奥に潜む物質の処理方法の結果がデザインなわけだから、やっぱり、建築家自身の思考、例えば信仰心などとデザインの間には深い関係があるんだろうね”
神と人をつなぐ場所、神社の一角に住居をデザインするというチャレンジを、
くまさんはこう振り返っていらっしゃった。
”できてから自分が本当にまた来たくなる建築かどうか、住民にウェルカムされる関係を築ける建築かどうかが基本”
一つの建物としての世界観、信仰の場としての世界観、街全体の中での世界観。
複数の文脈の中で再考され、想いを込めて建てて頂いたこと。
このおうちを大切にしよう、そして、次世代にも必ず伝えようと思った。
くまさんは、やっぱり自然体な人だった。
国内外で個性的な建築を生み出し続けている、その手は、とても大きかった。
素材となっている木は、この場所に生き続けてきた木か、
飛騨高山のオークビィレッジさんの木のみ。
広大な森を所有する、オークビィレッジ代表の稲本さんのトークは面白い。
”CO2が増えてるから木の成長は早くなったよ。
100年かかって育てた木は、100年使えるものとなるしね”と、さらっと。
日本はやはり、木に恵まれた土壌なんだって。
木と共に歩んできたし、これからも木と共に歩んでいくんだなって。
そう思ったら、もっと木のこと、深く知りたくなった。
それぞれの木のスペシャリスト集団が手がける、オークビレッジの商品たち。
(ネットでも買えるそうです。http://oakv.co.jp/index.html
外側が熱くならないのに、保温性の高い、マグカップ。
本当に飲みやすい一品。
”日本の木の博物館、現物標本book”。
杉、檜、樫、桑、楠 etc... もちろんそれぞれ、匂いも手触りも違う。
友人の子供たちには、異なった木々でできている、それぞれに感触も重さも匂いも違う、積み木をプレゼントしたいなあ。木の香りってどうしてこんなに落ち着くの。
素材になってしまっても、なお、生き続けているからなのかな。

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